また、根は土の中で呼吸をしています。そのため、植物の生育は土の性格により大きく左右されます。
土は、岩石が風化してできた無機物と生物の遺骸などの固体の部分(固相という)、水分などの液体の部分(液相という)、空気やガスなどの気体の部分(気相という)の3つの部分から構成されています。これを土の三相と呼びます。
土壌に液相と気相が適度に存在することによって、植物にとって必要な水分・養分・空気が確保されるわけです。
この土の三相の割合が、植物の生育に大きく影響します。良い土の三相の割合は、固相40%、液相30%、気相30%です。
それでは、具体的に植物の生育に適した土壌とはどんなものなんでしょう。
・根が張りやすい(土の固さ、重さ、耐固結性、よい土の比重は1リットルにつき400〜600g程度)
・通気性がよい(根は酸素を吸って、二酸化炭素を放出。通気性が悪いと二酸化炭素中毒になり腐る)
・適度な排水性がある(根が腐らない程度に不要な水分や古い空気を排することができる)
・適度な保水性がある(直ぐに乾燥するのを防ぎ、水分や養分を適度に保持できる)
・肥沃で保肥性がある(有機物が多く含まれ、それを保持できる)
・弱酸性〜中性(pH5.5〜7.5、アルカリ性が強いと根が欠乏症になるし、酸性が強いと生育障害を起こす)
・病原菌・異物の混入が少ない(病虫害の原因菌、害虫の卵、雑草の種子、重金属等の危険物)
では実際の土壌の特性を比較してみましょう。
自然土壌(天然土壌) | 通気性 | 保水性 | 保肥性 | 耐固結性 | 特 徴 | |||||
黒土(黒ボク) | △ | ○ | ◎ | ○ | 有機物を多く含む軽くて柔らかい土。 | |||||
赤土 | △ | ○ | ○ | × | 有機物を含まない粘質の比較的軽い土。 | |||||
真砂土 | △ | △ | △ | × | 重く、粒子が細かく、固結して硬くなりやすい土。 | |||||
荒木田土(田土) | × | ◎ | ○ | × | 瓦や土塀に使われる重い粘土質の土。 | |||||
川砂 | ○ | ○ | × | ○ | 河川の上流の粘土粒子や有機物を含まない砂。 | |||||
園芸用土 | 通気性 | 保水性 | 保肥性 | 耐固結性 | 特徴 | |||||
赤玉土 | ◎ | ○ | ○ | △ | 赤土を乾燥させて砕き団粒化したもの。粒径で大中小に分類。鉢やプランター用土に好適。pH5.7〜6.0。 | |||||
鹿沼土 | ◎ | ○ | ○ | ○ | 栃木県鹿沼地方産出の火山灰下層の黄色の軽石。ザクザクした粒状の軽い土で、盆栽用の培地や、他の用土と混合させて山野草や挿し木用土として使用。pH5.2程度。 | |||||
土壌改良材 | 通気性 | 保水性 | 保肥性 | 耐固結性 | 特徴 | |||||
真珠岩系パーライト荒目 | ◎ | ○ | × | ○ | 真珠岩を4000〜7000℃で高温爆発させてつくる。土壌の軽量化(屋上やベランダ緑化)には不可欠で、黒土などに混合して使用。バーミキュライトとピートモスと混合して使用。pH7.0程度。 | |||||
真珠岩系パーライト細目 | × | ◎ | × | △ | ||||||
黒ヨウ石パーライト | ◎ | × | × | ○ | 粒の細かいものは水に浮く。排水層に利用。pH7.0程度。 | |||||
バーミキュライト | ○ | ◎ | ○ | − | ヒル石を高温爆発(4000〜7000℃)させたアコーディオン状の物質で水分や肥料を蓄える。パーライトやピートモスなどと混合。pH7.5〜8.0。 | |||||
ゼオライト | △ | △ | ◎ | − | 根腐れ防止効果がある。土に混合したり、鉢底に敷く。 | |||||
珪酸塩白土 | △ | △ | ◎ | − | 栃木県産。水や土を強力に浄化する機能。 | |||||
珪藻土焼成粒 | ○ | ○ | ○ | △ | 珪藻土を焼成加工したもの。根腐れ防止効果。 | |||||
くん炭 | ○ | △ | ○ | − | 米のモミガラを炭にしたもの。有害物質を吸着したり、根腐れを防止する。アルカリ性が強く、pH12〜13。酸性の用土と配合する。 | |||||
腐葉土 | ○ | ○ | ◎ | △ | 落葉広葉樹の落葉が堆積し腐ったもの。完熟したものは万能。土壌改良のため庭土や鉢土に混入する。pH5.7〜5.8。 | |||||
ピートモス | △ | ◎ | ○ | △ | 湿地の水ゴケ類等が堆積して泥炭化したもの。輸入品(カナダやニュージーランド産で赤茶色)はpH4.2、北海道産(黒色)はpH5.5〜6.5。パーライトやバーミキュライト等を配合して使用する。 | |||||
ココピート(ココナッツピート) | ◎ | ○ | ○ | ○ | ココヤシの油、繊維をとり細かく砕いたもの。 | |||||
堆肥 | ○ | ○ | ◎ | − | 牛糞を発酵・乾燥させた牛糞堆肥や、ワラや落葉などを堆積して腐熟させたものなどがある。 |
自然土壌や用土は、それぞれ単独でも使用できますが、植物の生育を促進させるためには、それぞれの用土の欠点を補うために混合したり、改良材を加えることも必要です。
○化学性の改良
土壌のpHを矯正し、中性に保ちます。特に、酸性を中和するのには石灰質の消石灰(水酸化カルシウム)、苦土石灰などを混入します。また、珪酸塩白土やゼオライトの土壌改良材は、養分や水分の吸着力を増すだけでなく、酸性の緩和にも役立ちます。
・シンワ測定 土壌酸度(pH)計
電池不要で、測定はわずか1分間土壌に差し込むだけです。
・土壌酸度測定液
コップ等の容器に、測定したい土壌1に対して水道水2の割合で加え、よくかき混ぜて、上澄み液2.5tを備え付けの試験官に移し、pHチェック液を加えて軽くかきまぜ、色表と色を比較してpHを判定します。
・消石灰
生石灰に水を加えて化合させた白色の粉末で、アルカリ分(有効石灰)65%以上を含む土壌中和剤。酸性を中和するため土に混入します。
・水質浄化・pH調整にミリオンA(珪酸塩白土)
ミリオンAは天然の土壌改良材です。プランターの鉢底に敷いて根腐れ防止を図ったり、水質浄化に使われます。植物にケイ酸とミネラル分を補給します。pHを一定に調整し、また肥料濃度を一定に調整する。
電池不要で、測定はわずか1分間土壌に差し込むだけです。
・土壌酸度測定液
コップ等の容器に、測定したい土壌1に対して水道水2の割合で加え、よくかき混ぜて、上澄み液2.5tを備え付けの試験官に移し、pHチェック液を加えて軽くかきまぜ、色表と色を比較してpHを判定します。
・消石灰
生石灰に水を加えて化合させた白色の粉末で、アルカリ分(有効石灰)65%以上を含む土壌中和剤。酸性を中和するため土に混入します。
・水質浄化・pH調整にミリオンA(珪酸塩白土)
ミリオンAは天然の土壌改良材です。プランターの鉢底に敷いて根腐れ防止を図ったり、水質浄化に使われます。植物にケイ酸とミネラル分を補給します。pHを一定に調整し、また肥料濃度を一定に調整する。
○物理性の改良
用土に腐葉土やピートモスなどの有機性改良材を加えることで、排水性や保水性が改良されるだけでなく、土を柔らかくし、団粒構造をつくりやすくし保肥力も増加します。団粒構造とは、土壌粒子が結合して集合体(団粒)となっている状態をいいます。団粒を形成するには土壌粒子を結合させる粘土成分や、腐食物質(有機物)が不可欠です。
そして、団粒構造が発達すると、土の排水性や保水性及び通気性が高まり、植物の根の伸長によい効果があります。
・土壌水分計/土壌酸度計 サーモ
土中の水分と酸度(pH)を計測する土壌測定器。水分計測は、1〜10(10〜100%)までの数値で表示し、通常の植物には3.5〜4が目安です。
・珪藻土を主成分としたオーガニック土壌改良材
通気性・保水性抜群。花勢・実つき・根張り向上に効果があります。
土中の水分と酸度(pH)を計測する土壌測定器。水分計測は、1〜10(10〜100%)までの数値で表示し、通常の植物には3.5〜4が目安です。
・珪藻土を主成分としたオーガニック土壌改良材
通気性・保水性抜群。花勢・実つき・根張り向上に効果があります。
○基本のブレンド
プランターや鉢用の基本的なブレンドについて説明します。(赤玉土小粒〜中粒)6:(完熟した腐葉土)4の割合とします。これに元肥として粒状の緩効性肥料(肥料編で詳しく説明します)と、酸度調整(目標6.5程度の弱酸性)のための苦土石灰(マグネシウム含む)や消石灰(カルシウムを含み効果が強い)を少量加えます。混合はベランダやバルコニーに、シートを引くなり、ビニール袋に入れるなどしてブレンドしてください。なお、石灰を扱う場合は、ビニール手袋をして、目や口に入らないよう注意を払ってください。また、pHの調整はpHメーターがあれば完璧ですが、ない場合は土1リットルに対して苦土石灰を約3g程度混ぜてください。
・腐葉土
ナラ、クヌギなどの落ち葉100%で、汚泥や発酵剤などを使わず1年間堆積して発酵させたものです。熟成させた最高級品です。
・サニーシート(ベランダ植え替え用シート)
ベランダや室内での植え替え、土混ぜなどの作業の最に便利なシートです。
ナラ、クヌギなどの落ち葉100%で、汚泥や発酵剤などを使わず1年間堆積して発酵させたものです。熟成させた最高級品です。
・サニーシート(ベランダ植え替え用シート)
ベランダや室内での植え替え、土混ぜなどの作業の最に便利なシートです。
○ベランダ用のブレンド
ベランダやバルコニーでは、土が非常に乾燥するため、乾燥防止と保水力を高める必要があります。また、少し軽量化も考慮したいものです。そこで、上述の基本のブレンドに軽量で保水性の高いバーミキュライトを混入します。割合は、(基本のブレンド土)8:バーミキュライト2程度にしてください。バーミキュライトについては、 バーミキュライトとは?種まきや水耕栽培の使い方や効果、安全性は?、農林水産省/土壌改良資材バーミキュライトの安全性の確保についてなどの情報も参考にしてください。
・ベランダ菜園培養土
良く熟成した堆肥を主体にし、ココファイバー、ピートモス、籾殻くん炭等をブレンドした有機質培養土ですので、根張りも良好でおいしい野菜を育てることができます。木炭とパーライトを配合してあるので通気性も良い。
良く熟成した堆肥を主体にし、ココファイバー、ピートモス、籾殻くん炭等をブレンドした有機質培養土ですので、根張りも良好でおいしい野菜を育てることができます。木炭とパーライトを配合してあるので通気性も良い。
○ハンギングバスケット用のブレンド
軽量化が求められるブレンドですので、(赤玉土小粒〜中粒)3:ピートモス3:パーライト2:バーミキュライト2の割合で混ぜ軽量化を図ります。ピートモスは酸度未調整のものを使用する場合には、苦土石灰などを混ぜて調整する必要があります。この場合、ピートモス1リットルに対し、苦土石灰3g程度とします。
・プランティーションイワモトの土壌改良材
バーキュライト、ピートモス、パーライト、くん炭、バイオポスト(フランスのパスツール研究所で研究開発された有効微生物。1g中に27億以上の微生物を含んだ、100%植物性の有機土壌改良材)
バーキュライト、ピートモス、パーライト、くん炭、バイオポスト(フランスのパスツール研究所で研究開発された有効微生物。1g中に27億以上の微生物を含んだ、100%植物性の有機土壌改良材)
○予め園芸用にブレンドして販売されている培養土
様々な改良資材を混合して、土壌を改良するのはかなりの知識と労力が必要です。大量の土壌が必要な場合にはそれなりに意味のある労力ですが、ベランダやバルコニーのコンテナに使用する少しの土壌を改良するにはちょっと実用的ではありません。そこで、これらの混合をすでにおこなった市販の土も沢山販売されています。プランター用、種まき用、野菜用、観葉植物用と、様々な用途と目的に適合する培養土が販売されていますが、どのような改良資材がブレンドされており、保水性、透水性、保肥力などの効能などをよく理解して購入する必要があります。
・e-フラワーの様々な用土
赤玉土、鹿沼土、腐葉土、堆肥、様々なブレンド培養土。
・園芸ネットの様々な用土
植物別の様々な専用培養土と土壌改良材。
・植物にやさしい培養土
ココピート、赤玉土、腐葉土、バーミキュライト、フヨーライト、軽石、燐酸肥料をバランスよく配合したプランター、ガーデニング用土。
赤玉土、鹿沼土、腐葉土、堆肥、様々なブレンド培養土。
・園芸ネットの様々な用土
植物別の様々な専用培養土と土壌改良材。
・植物にやさしい培養土
ココピート、赤玉土、腐葉土、バーミキュライト、フヨーライト、軽石、燐酸肥料をバランスよく配合したプランター、ガーデニング用土。
最後に、鉢の土の再生について説明します。
一度使用した鉢土を再度使用する場合の注意点としては、病虫害で枯死した株の鉢土は使用しないほうが無難です。
普通に開花して、結実後枯死した株の鉢土を使用すべきです。
なお、この作業は夏場におこなうことをお勧めします。
1.植物の地上部を取り除き、鉢ごと乾燥させる。
2.土をフルイにかけ、根などを取り除く。
3.土だけになったら、バケツなどに沈め、残留した肥料等を洗い流す。
4.少し湿った状態で、黒いビニール袋に入れ密封し、薄くのばして置く。
5.炎天下(夏場)に10日くらい放置して、太陽熱で消毒する。病害虫はほぼ死滅する。
6.消毒した土に、腐葉土等の有機物を十分に補給し、新しい用土を同量混ぜて使用する。
・古い土、よみがえるんです
使用後の古い土や、花壇菜園の痩せた土をよみがえらせる新しいリサイクル材です。ゼオライト配合。
・土のリサイクル材 ECOゼオライトCa
ゼオライト組成の土壌改良材。古い土をもう一度使いたい、植物を植え替えたい、植物に元気がない時に使って下さい。土の中をほぐして空気を通わせ、根腐れ防止。植物が根からカルシウムを吸収して、元気になります。植物が水や養分を吸収するのを助け、土の中の肥料を逃がしません。疲れて酸性になった土を高いイオンの能力で中性に戻します。
ゼオライトは、スウェーデンの鉱物学者によって発見され、加熱すると含有水分が蒸発して泡のような状態になり、沸騰しているように見える事からギリシャ語のZeo(沸騰する)とlite(石)をとってゼオライトと名付けられました。日本名は沸石(ふっせき)です。
天然の天然ゼオライトと、人工的に合成された合成ゼオライトがあります。天然ゼオライトの種類は45種類以上もあり、主に肥料として利用されています。また、水の浄化装置や、脱臭剤、化粧品原料としても利用されています。
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ゼオライトは、スウェーデンの鉱物学者によって発見され、加熱すると含有水分が蒸発して泡のような状態になり、沸騰しているように見える事からギリシャ語のZeo(沸騰する)とlite(石)をとってゼオライトと名付けられました。日本名は沸石(ふっせき)です。
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