大事な植物が病虫害にやられたらどうしよう

ベランダバルコニーでは、地上に比べると乾燥ぎみで風通しが良いため、病虫害は比較的少ないといえます。<strong>ハダニ</strong>

でも、雨があまり入らないためハダニアブラムシの発生は多くなります。

多くのコンテナ類を所狭しと置いたり、日当りや風通しが悪いとてきめんに病虫害が発生します。

<strong>アブラムシ</strong>発生しても、早期発見して早期防除すれば被害は広がりませんが、ほっておくと大変な大発生になり、ご近所にも迷惑をかけることがあるので注意しましょう。

発見したら、広がらないうちに速やかに患部や虫のついた部分を切除しましょう。

野菜や果樹、ハーブのような食用に使う植物を栽培している場合は、化学農薬の使用は避け、天然成分の薬剤を使用しましょう。

有機栽培での使用が認められた野菜用天然殺虫剤
天然の除虫菊から抽出した成分を配合した天然殺虫剤です。毒性が少なく、収穫前日まで散布可能です。適用作物等:茶、きゅうり、なす。適用病害虫名:シャクトリムシ類、チャノホソガ、アブラムシ類、アザミウマ類、アオムシ
天然成分の病害虫忌避剤色々
園芸ネットの天然害虫調整剤、抗菌防虫剤殺菌剤殺虫剤不快害虫撃退除虫菊スプレー、殺虫殺菌剤、天然忌避剤などなど。

どうしても化学農薬を使用しなければならない場合は、使用方法をよく読み、適正な希釈率(適正な薄め率)を守りましょう。
プレッシャー式噴霧器ロングノズル
また、農薬の散布は、日中を避け朝夕に実施しましょう。
風のきつい日は、近所や階下に飛散しないよう注意が必要です。

○どんな害虫がいるのだろう


・植物を食べ、汁液を吸うことで被害を及ぼす害虫(農業害虫

食害性)ナメクジ、カタツムリ、ダンゴムシ、コオロギ、バッタ、蝶や蛾の幼虫、コガネムシ、カミキリムシ、ゾウムシ、ハムシなど
吸汁性)センチュウ類、ハダニ、ホコリダニ、アザミウマ、アブラムシ、カイガラムシ、グンバイムシ、コナジラミ、カメムシなど

・人にとって不快感を与える虫(植物には特に害を及ぼさない忌避害虫

アリ、ワラジムシ、ヤスデ、ゲジゲジなど
プランター栽培用虫除け

・木材を加害する害虫(木材害虫

シロアリ、キクイムシ、センチュウなど

・人に被害を与える害虫(衛生害虫

蚊、ハエ、ゴキブリなど

○植物の病気

植物が生理機能に異常をきたし、形態的に正常な状態でなくなる場合を病気と呼んでいます。病気の原因は、病原菌による場合とそうでない場合に分けられます。

・病原菌による場合

ウイルスウイルスは電子顕微鏡でないと見えないほど小さい。<strong>ウイルス</strong>によると思われるモザイク病の症状症状は、主に、緑色の部分と黄緑色〜黄色の部分がモザイク状に混ざり、斑紋になり、斑点、条線状、輪紋状に壊疽する。全体的に矮小化し、草丈が低く、葉も小さくなり、葉や花の形も異常になる。主要な伝染方法は汁液伝染と、アブラムシなどによる虫媒伝染。ウイルス感染した植物に触った場合は、他の植物を触る前に、石鹸で手を洗う必要がある。同様に、感染した植物を切除したハサミなども火にあぶって消毒する。
アブラムシ媒介ウイルス病、てんぐ巣病の樹木にアザミウマ媒介ウイルス病、土壌線虫媒介ウイルス病、土壌菌類媒介ウイルス病、汁液接触感染ウイルス病などがある。
ファイトプラズマ)植物に寄生し病害を起こす特殊な細菌で、現在のところ人工培養に成功しておらず、不明な部分が多い。症状は、黄化、萎縮、葉が一箇所から群がって生えたり、小葉化して枯死にいたる。主に、ヨコバイやウンカによって媒介される。てんぐ巣病などがある。
斑点細菌病細菌・放線菌)植物を侵す細菌は動物には寄生せず、植物の茎葉に斑点を形成したり、根を侵して枯らす。症状は、斑点、条班、葉枯れ、腐敗、しおれなど。
斑点細菌病、腐敗病、軟腐病、首腐病、根頭がん腫病、青枯病(立枯病)などがある。
糸状菌)一般的には、カビのことで、植物の病気の80%はカビが原因といわれている。症状は、しおれ、萎縮、こぶ、肥大、斑紋、斑点、腐敗など様々。うどんこ病
つる割れ病、苗立枯病、もち病、胴枯病、菌核病、白絹病、灰色かび病、うどんこ病、べと病、炭そ病、さび病、斑点病、赤星病、疫病、根腐病、半身萎凋病、球根腐敗病、萎黄病、尻腐病、乾腐病、紋羽病、青カビ病などがある。

・病原菌以外の原因

気象的環境)風害、水害、雪害、冷害、霜害、日焼けなどの気象条件により、葉などが変色したりする。酸性雨で枯れたとされる樹木
科学的要因)大気汚染物質(光化学スモッグ、酸性雨など)、オゾン、二酸化硫黄、二酸化チッ素、フッ化水素などによって、植物の組織が破壊され、変色するなどの症状が出る。また、農薬や薬剤の希釈(濃度を薄める)間違いなどにより生じる障害などがある。
土壌・肥料要因)土壌の酸度(pH)の不適合、肥料成分の過不足により、葉や果実に変色や腐敗などの症状が出る。例えば、カルシウム欠乏によるトマトの尻腐症やレタスの縁腐れや心腐れ症など。また、マグネシウム欠乏によるキュウリの白変葉やプリンスメロンの葉枯れ症などがある。

○なぜ農薬を使う必要があるの

日本には四季があり、それが病虫害を発生させやすい環境であるともいわれます。また、市街地では、野原や山林に比べて病虫害の発生が多いそうです。

・庭や畑は自然ではない

庭や畑で単一の植物を広い面積で栽培することは、森や山のような自然界で多様な植物が生育している環境とは大きくかけ離れています。そのため、一旦病虫害が発生すると、多様性のない単一の植物群には被害が蔓延しやすく、自浄作用もありません。
マツの一斉林(人工林)で猛威をふるった松くい虫被害

天敵が少ない

森や山では、いわゆる生態系というサイクルがあり、虫が植物を食べ→虫を動物や鳥が食べ→動物や鳥の糞、虫の死骸が土壌を肥やし植物が育ちます。しかし、市街地では、動物や鳥が少なく、害虫の天敵も少ないため、被害は大きくなってしまいます。

・品種改良による弊害

植物がもつ本来の自衛本能が、品種改良により失われてしまったことも事実です。品種改良の目的は主に、花をより大きく、より美しく、野菜をよりおいしくすることで、商品価値の上がることばかりに力を注ぎすぎているともいえます。

農薬の種類

農薬は、主に、使用目的によって分類されています。

殺虫剤

植物にとって有害な害虫を防除するための薬剤や、天敵などの生物農薬(害虫を駆除する目的で、天敵や微生物等を利用した製剤で、もともと自然界に存在しており、環境への影響が少ない、毒性が低い、病害虫への抵抗性がつき難いなどの利点がある)も含めて殺虫剤と呼びます。殺虫剤は、口から体内に入ったり(摂取作用)、皮膚から体内に入ったり(接触作用)、ガス化した薬剤が呼吸器官から入ったり(ガス作用)して、害虫を殺します。また、散布された薬剤が、植物の根や茎葉から吸収されて長期間効果が持続する浸透移行性剤は接触作用で害虫を殺します。

薬品 害虫駆除用品色々
園芸ネットの殺菌剤殺虫剤などなど。
園芸害虫用薬剤色々
ナメクジ対策、チャドクガ対策、アブラムシ対策、アオムシ対策、ケムシ対策、コナジラミ対策、ロウムシ・カイガラムシ対策、ネキリムシ対策、うどんこ病・黒星病・さび病・赤星病対策、花に使う、樹木に使う、野菜に使う、果物に使う、豆類に使う、芝に使う。
浸透移行性剤色々
有効成分が根や葉から吸収され植物自体が殺虫効果を持つタイプ。
エスマルクドライフロアブル
生物農薬。微生物を利用した農薬BT剤:Bacillusthuringiensis菌が作り出す殺虫成分)です。鱗翅目害虫(蛾・蝶類の幼虫など)に幅広く高い防除効果を有し死菌剤に比べ効果が速く発現します。人畜・魚介類・鳥類に対する毒性が低く天敵・花粉媒介昆虫に対する影響もほとんどありません。生物農薬なので有機農法にも使用可能です。EMで家庭菜園
EMで有機園芸
生物農薬。乳酸菌・酵母・放線菌・糸状菌・光合成細菌などの私たちに有用な微生物群が病害虫発生を抑制。農薬や化学肥料を使用しない有機農業が可能となりました。EMとは、有用微生物群( Effective Microorganisms )の略称です。

殺菌剤

細菌や糸状菌を防除する薬剤や、ウイルス病防除剤なども殺菌剤に含まれます。そして、付着した病原菌が植物体に進入するのを防ぐ保護殺菌剤と、病原菌に感染後に直接作用して菌を滅菌する直接殺菌剤に分類されます。

・殺虫殺菌剤

殺虫と殺菌の両方の効果を兼ね備えた薬剤で、一般的には、殺虫剤殺菌剤を混合したものです。

・除草剤

有害な雑草のみを枯らす薬剤です。雑草の茎葉から吸収されて作用するもの(茎葉処理)、根から吸収されて作用するもの(土壌処理)、両方から作用するものに分類されます。

成長調整剤

発芽、発根、伸長、開花、結実などの植物の生理作用を人工的に促進したり抑制する効果をもつ薬剤です。
植物の成長は、植物ホルモンによって調節されています。その植物ホルモンは7種類の物質が知られており、オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン、アブスジン酸、エチレン、ブラシノサイド、ジャスモン酸です。
植物ホルモンの作用
植物ホルモンの名称作 用
オーキシン 成長促進・細胞肥大促進
ジベレリン 細胞の伸長と分裂の促進
サイトカイニン 細胞分裂と芽の成長促進
アブシシン酸 落葉促進・休眠の維持
エチレン 果実の成熟促進・休眠打破
ブラシノサイド 成長促進とくに茎の伸長促進
ジャスモン酸 傷害ストレス対応・落葉促進

成長を押さえるための生長調整剤わい化剤)は,主にジベレリンの作用を抑える働きを持っています。
わい化剤はジベレリンの合成を阻害する作用しか持っていないため、すでに植物体の中に存在するジベレリンに対しては効果がありません。わい化が始まるのは、残留するジベレリンがなくなるまで待たなければならず時間がかかります。
逆に、成長を促進する成長調整剤は、上述の植物ホルモンと類似する性質を持つ合成薬剤を植物に与えることで、よりいっそう成長を加速させるわけです。

成長調整剤
挿し木・挿し苗の発根を促進させる成長調整剤。トマトやナスの実つきを良くする成長調整剤。草花の開花促進や野菜の成長促進などに効果のある成長調整剤
植物成長調整剤わい化剤
草花のわい化剤。花き類の成長点を中心に本剤を水に希釈したものを葉面散布することにより、その後の成長を抑え草丈を短くすることができます。開花の時期、花や葉の大きさ、結実などには影響がありません。

・その他

農薬と肥料を混合して製造された農薬肥料や、殺鼠剤(ネズミを駆除する目的で作られた薬剤)、展着剤(葉面の水分を弾く性質を和らげ、農薬などを定着させやすくする薬剤)、フェロモン剤(メスの昆虫が異性をひきつける性ホルモンを成分とし、害虫の交尾を妨害し、発生を減らす)、忌避剤(鳥獣や虫など有害な動物が嫌う味や臭いを使って近寄らないようにする薬剤)などがあります。害虫が嫌う植物(忌避植物)の成分を使った天然の忌避剤も市販されています。
 以下の忌避植物は植えるだけで、それなりの効果があると言われています。
蚊が近寄らない忌避植物コナジラミや土内のセンチュウを殺すバッタ・蚊・ハエ・ゴキブリ・コガネムシ・<strong>アブラムシ</strong>・<strong>ハダニ</strong>・など約200種類以上の害虫に効果<strong>アブラムシ</strong>やアリ、コナジラミを寄せ付けない

アブラムシ、コナジラミ、アザミウマ防除に!肥料入り殺虫剤
一度の処理でアブラムシ防除は1シーズンOK。アブラムシ類、コナジラミに卓効を示します。肥料成分も含まれているため植物に栄養補給ができ、弱った植物も元気になります。
殺菌・殺虫剤専用展着剤 ミックスパワー
無機銅剤、有機銅剤などの殺菌剤、有機りん剤、カーバメート剤、ケルセン剤等の殺虫剤に混入して使う展着剤

農薬の使用方法による分類

同じ効能や成分の農薬も、様々な形態で製品化されています。

・そのまま使用できるもの

購入して直ぐに使用でき手軽で便利です。少量を小さな面積で使用する場合や、応急的な処置をする場合に向いています。値段的には高価。
エアゾル剤)ボタンを押すことで、薬剤が霧状に噴出される。接近しすぎたり、過剰に散布すると冷却効果で冷害を起こすことがある。
スプレー剤、AL剤)乳剤や液剤に属し、薬剤をあらかじめ薄めた状態にしてあり、ハンドスプレーの容器に詰めて製品化してある。
粉剤)有効成分を粘土などで希釈してあり、そのまま使用できる。散布面が白っぽくなるため、散布ムラが防げるものの見た目は良くない。
粒剤)粒状に加工してあり、鉢でも地面でも置くだけで使用できる。一般的には、効果が持続し遅効性の製品が多い。
ペレット剤)粒剤の一種であり、やや大きめで、夜間活動する害虫用と誘引殺虫する製品が多い。

・水で希釈(薄めて)して使用するもの

一般的には、水を加え薄めて(希釈して)使用するため、少量の薬剤で大量の散布液がつくれ経済的。また、効能の異なる薬剤を混合して使用できるため、多種類の病害虫を一度の散布で防除でき便利。反面、噴霧器の準備や後片付けが面倒。

農薬の取扱い方法

毒物取扱い注意農薬は病害虫だけに影響をもたらすだけでなく、使用方法を間違えると人やペットにも取り返しのつかない影響力をもっています。
取扱い説明書などに何度も目を通し、誤った使い方をしないよう細心の注意が必要です。
また、子供などの手の届く場所には絶対に置かず、厳重な管理のもとに保存するように心掛けましょう。

農薬製品のラベル(取扱い説明書)の見方について
項  目説明
農薬登録番号農林水産省登録第○○○○○号という番号が記載されている製品を選ぶ。
作物名この農薬を使用できる植物名が記載されている。除草剤などは、使用場所などを表示する場合もある。
適用病害虫名効果が認められた病害虫名や雑草名が記載されている。成長調整剤などでは、使用目的が記載されていることもある。
希釈倍率と使用量水で薄めて(希釈して)使用する薬剤の場合は、希釈濃度(水○○ccに薬剤△△ccを加えるなど)が記載されている。粒状や粉状の場合は、一定面積当りの使用量が記載されている。
使用時期野菜などの食用に供する植物の場合は、農薬を散布してから収穫してもいい期間を記載している。必ず厳守する必要がある。
使用回数野菜類や草花類は、種まきや苗を植えてから収穫が終了する(枯れる)までの間で、果樹類(花木類)では、春から秋までの1年間で、使用できる回数を記載している。除草剤の場合は、同一の場所で1年間に使用できる回数が記載されている。
使用方法植物の茎や葉などに散布するとか、土壌中に灌注(注ぎこむこと)するとか、薬剤の使い方が記載されている。
効果・薬害等の注意点他の薬剤との混用の注意点。接近散布の注意点。適用植物の生育状態や散布時(処理時)の環境条件(気象条件等)に関する注意点。適用植物以外の植物への影響。薬害などの注意点などが記載されている。
安全使用上の注意点目や皮膚、散布時の服装(マスク、メガネ、長袖など)に対する注意点。人畜への毒性、使用時の安全性に関する注意点。中毒及び治療法に関する注意点。空容器や保管に関する注意点。水生動植物への影響に対する注意点などが記載されている。


農薬散布の注意点


・風上から散布する。強風時は中止する。散布液を吸い込んだり、浴びたりしない。
・また、気温が高いときや、大雨が予想されるときはやめる。
・葉の表裏、枝、幹までまんべんなく散布する。
・なるだけ短時間で終わらせる。散布途中で、食事や喫煙はやめる。
・隣近所や通行人などにかからないよう細心の注意を払う。子供やペットを近づけない。
・散布中に気分が悪くなったら直ちに中止して、医師に相談する。
・散布に使用した器具はよく水洗いする。除草剤や殺菌剤を同じ器具で使用しない。
・散布後、皮膚露出部を石鹸でよく洗い、洗眼やウガイとともに着衣も直ぐ洗濯する。
・残った薬剤は密封し食品と区別して、子供の手の届かない涼しく乾燥した場所に保管。
・使用済み薬剤の容器はよく水洗いして捨てる。
・エアゾル剤は、戸外でガスを出し切り穴を開けて捨てる。

薬剤散布用品
電池式噴霧器、手動式噴霧器、プレッシャー式噴霧器、園芸用メガネ・手袋・マスクなど。ペットボトル対応 電動ガーデニングスプレー
ペットボトル対応 電動ガーデニングスプレー
ペットボトルを噴霧器に換えてしまう。ほとんどのボトルに対応し、用途に応じてボトルを交換すれば園芸や農業などに利用。電池式なので面倒がなく、2リットルのボトルを利用すれば、広範囲に対応。
捕虫器・虫よけ
捕虫器、虫除け、虫捕獲粘着紙、防虫ネットなど。


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